日本酒のラベルからわかるアレコレ

日本酒の瓶や紙パックを見ていると、「清酒」「純米大吟醸酒」「吟醸酒」「特別純米酒」「純米酒」「特別本醸造酒」「普通酒」「生酒」「原酒」など いろんな呼び方や種類があって、なにがなんだかさっぱりわからない!ということがありませんか? このページではそんな疑問を日本酒のラベルを見ながら一つずつ解決していきます!

よく書いてある清酒とは?

日本酒ラベル

清酒とは普通に売られている「日本酒」の一つです。日本酒の別の呼び方だと言えるでしょう。 普段の会話や飲食店でも「日本酒」の方が広く使われていますよね。

では「清酒」という言葉はいつ使われるのかというと、酒税法という法律の中で厳しく管理・定義されて使われています。

清酒の定義とは…(酒税法第3条3号より)
  • イ. 米・米こうじ及び水を原料として発酵させてこしたもの
  • ロ. 米・水及び清酒粕、米こうじその他の政令で定める物品を原料とし、発酵させてこしたもの「(イ)、(ハ)に該当するものを除く」ただし、その原料中、当該政令で定める物品の重量の合計が米(こうじ米を含む)の 重量を超えないものに限る。
  • ハ. 清酒に清酒かすを加えてこしたもの
補足その1
アルコール度数が22度以上の日本酒は、たとえ日本酒の製法で造られていたとしても酒税法上ではリキュール扱いとなります。つまり清酒とも言えなくなります。
補足その2
米麹

米こうじとは、米に麹菌を繁殖させて作った麹を米こうじと言います。いやいや、そもそも「麹(こうじ)」ってなに?という疑問があるかもしれません。 「麹(こうじ)」とは、穀物などに麹菌を繁殖させたものです。そして、麹菌とはカビの一種です。 カビと聞いて驚かれるかもしれませんが、この麹菌は人にとって有益なカビなので摂取しても、もちろん問題はありません。

吟醸酒とか純米酒とか本醸造とかってなに?

日本酒ラベル

日本酒(清酒)は、酒税法において、原料、製造方法などの違いによって以下の8種類に分類されています。 「吟醸酒」「大吟醸酒」「純米酒」「純米吟醸酒」「純米大吟醸酒」「特別純米酒」「本醸造酒」「特別本醸造酒」の8種類です。 この分類を「特定名称分類」と言います。それぞれの違いは以下の表のとおりとなっております。

補足その1
特定名称分類に該当する日本酒(清酒)は「三等米以上の白米を用い、白米の重量に対する米麹の使用割合が15%以上の清酒。」となっております。
補足その2
特定名称酒以外の清酒は「普通酒」と言いいます。白米・米麹以外にも、醸造アルコール・糖類・酸味料・うま味調味料・酒粕などの副原料を加えて作ることが、定められた条件付きで認められています。
吟醸酒 白米・米こうじ・醸造アルコールを原料とし、精米歩合60%以下
大吟醸酒 白米・米こうじ・醸造アルコールを原料とし、精米歩合50%以下
純米酒 白米・米こうじを原料
純米吟醸酒 白米・米こうじを原料とし、精米歩合60%以下
純米大吟醸酒 白米・米こうじを原料とし、精米歩合50%以下
特別純米酒 白米・米こうじを原料とし、精米歩合60%以下又は特別な方法で製造
本醸造酒 白米・米こうじ醸造アルコールを原料とし、精米歩合70%以下
特別本醸造酒 白米・米こうじ・醸造アルコールを原料とし、精米歩合60%以下
本醸造酒 白米・米こうじ・醸造アルコールを原料とし、精米歩合60%以下又は特別な方法で製造

その他の表記

日本酒ラベル
以下の表記は、要件に該当する場合に表示することができる記載事項となっております。
原酒 製成後、水を加えてアルコール分などを…
生酒 製成後、一切加熱処理をしない清酒に表示できます
生貯蔵酒 製成後、加熱処理をしないで貯蔵し、出荷の際に…
生一本 ひとつの製造場だけで醸造した純米酒に表示できます
樽酒 木製の樽で貯蔵し、木香のついて清酒に表示できます
生詰酒 製成後、火入れをしてから貯蔵し、製造場から移出する際には…
ひやおろし 冬季に醸造した後に、春・夏の間涼しい酒蔵で貯蔵・熟成させ…

製造年月

日本酒ラベル

日本酒(清酒)のラベルや蓋に記載されている、製造年月ですが、食品や飲料に記載される食品衛生法上の「賞味期限」や「消費期限」とは違って、できあがった日本酒を瓶に詰めて出荷できる状態にした日を製造年月としています。 書籍やネットの情報では、瓶に詰めて出荷した日と表現していることが多いのですが、実際には瓶詰したその日に出荷するとは限らないようです。

また、大手メーカーでは一年中日本酒(清酒)を製造している場合が多いのですが、地方にある蔵の多くは12月~3月くらいにかけて一年分のお酒を造ります。 つまり、平成28年の1月や2月に完成したお酒であっても瓶に詰めて出荷できる状態にした日が5月であれば、製造年月は平成28年5月になるのです。

製造年月が新しいほど良いと考えておられる方もいるかもしれませんが、必ずしもお酒の美味しさの目安にはなりません。 大切なのは、お酒が完成してからお客様の手元に届くまでに、製造業者・取扱店がいかに丁寧に管理しているかが重要となります。


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